第1726回 今年も3歳牡馬が有力か!? 有馬記念を分析する|競馬情報ならJRA-VAN

競馬予想・競馬情報ならJRA-VAN

今年も3歳牡馬が有力か!? 有馬記念を分析する

2023/12/21(木)

今年もいよいよ有馬記念の日が迫ってきた。絶対王者のイクイノックスが引退し、牝馬三冠馬リバティアイランドが不在というメンバー構成だが、その分たくさんの馬に勝つチャンスがある一戦になりそうだ。今年のクラシックを制したタスティエーラやソールオリエンス、天皇賞(春)を勝ったジャスティンパレス、凱旋門賞で4着と善戦したスルーセブンシーズ、前走ジャパンC3着のスターズオンアースあたりが人気を集めるだろうか。有馬記念の過去傾向をJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用して分析してみたい。

3歳が強く、6歳以上は不振

年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
3歳 4-  3-  2- 16/ 25 16.0% 28.0% 36.0% 63 95
4歳 2-  4-  2- 37/ 45 4.4% 13.3% 17.8% 43 38
5歳 4-  3-  5- 45/ 57 7.0% 12.3% 21.1% 33 54
6歳 0-  0-  1- 18/ 19 0.0% 0.0% 5.3% 0 19
7歳以上 0-  0-  0- 14/ 14 0.0% 0.0% 0.0% 0 0
4歳〜 6-  7-  8-114/135 4.4% 9.6% 15.6% 28 38
5歳〜 4-  3-  6- 77/ 90 4.4% 7.8% 14.4% 21 38

(表1 有馬記念の年齢別成績、過去10年)

過去10年の年齢別成績を調べたところ、3歳が勝率16.0%、連対率28.0%、複勝率36.0%と最も優秀だった。一方、6歳以上は3着がわずか1回と不振傾向。4〜5歳の成績は悪くないものの、3歳に比べると好走率は低かった。

1番人気の3歳馬は3戦3勝

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1番人気 3- 0- 0- 0/ 3 100.0% 100.0% 100.0% 233 116
1〜3人気 4- 1- 0- 3/ 8 50.0% 62.5% 62.5% 198 111
1〜5人気 4- 1- 2- 5/12 33.3% 41.7% 58.3% 132 135
6〜 人気 0- 2- 0-11/13 0.00% 15.4% 15.4% 0 59
10〜人気 0- 0- 0- 7/ 7 0.0% 0.0% 0.0% 0 0

(表2 有馬記念の3歳馬人気別成績、過去10年)

3歳馬の人気別成績を調べたところ、1番人気が3戦3勝だった。1~3番人気の複勝率は62.5%。1〜5番人気でも複勝率は58.3%と優秀であり、基本的に上位人気に支持された馬の成績が良い。対照的に6番人気以下は厳しく、10番人気以下は好走例がなかった。

古馬は前走JCか凱旋門賞か天皇賞(秋)

前走レース名 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
JCG1 2- 2- 4-43/51 3.9% 7.8% 15.7% 20 33
凱旋門G1 1- 1- 2- 5/ 9 11.1% 22.2% 44.4% 17 75
天皇賞秋G1 1- 1- 1-12/15 6.7% 13.3% 20.0% 16 28
アルゼンHG2 1- 0- 0- 4/ 5 20.0% 20.0% 20.0% 340 82
コックG1 1- 0- 0- 0/ 1 100.0% 100.0% 100.0% 670 210
エリザベG1 0- 2- 1-20/23 0.0% 8.7% 13.0% 0 66
金鯱賞G2 0- 1- 0-11/12 0.0% 8.3% 8.3% 0 20

(表3 有馬記念の4歳以上・前走レース別成績(一部)、過去10年)

4歳以上の前走レース別成績を調べたところ、ジャパンCと凱旋門賞と天皇賞(秋)組から多数の好走馬が出ていた。その他ではエリザベス女王杯組が3頭、コックスプレート(豪G1)組が1頭と、基本的に前走G1組から好走馬が出ている。

前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)組も人気馬が強い

人気 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回値 複回値
1番人気 3- 1- 1- 2/ 7 42.9% 57.1% 71.4% 85 92
2番人気 0- 1- 3- 4/ 8 0.0% 12.5% 50.0% 0 72
3番人気 0- 0- 2- 3/ 5 0.0% 0.0% 40.0% 0 76
4番人気 1- 0- 0- 3/ 4 25.0% 25.0% 25.0% 217 70
5番人気 0- 2- 0- 4/ 6 0.0% 33.3% 33.3% 0 95
1〜3人気 3- 2- 6- 9/20 15.0% 25.0% 55.0% 30 80
1〜5人気 4- 4- 6-16/30 13.3% 26.7% 46.7% 49 82
6〜 人気 0- 0- 1-44/45 0.0% 0.0% 2.2% 0 8

(表4 4歳以上の前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)組の人気別成績、過去10年)

4歳以上の前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)組を調べたところ、1番人気が【3.1.1.2】で複勝率71.4%だった。2、3番人気の勝率・連対率は良くないが、複勝率は良い。1〜3番人気と、1〜5人気の成績を比較するとあまり差は感じられないので、5番人気以内に支持されていれば有力とみたい。一方、6番人気以下の成績は不振。結局、4歳以上も前走JC・凱旋門賞・天皇賞(秋)といった主流路線を歩んでいる場合は、基本的に人気馬だけが好走している。穴馬の激走はほとんど見込めない、と考えるべきだろう。

【結論】

今年も3歳牡馬に注目!

2023/5/28 東京 11R 日本ダービー(G1) 1着 12番 タスティエーラ2023/5/28 東京 11R 日本ダービー(G1)
1着 12番 タスティエーラ
(Photo by Kazuhiro Kuramoto)

過去10年、3歳で有馬記念を勝利したのは16年サトノダイヤモンドなど4頭。前走で天皇賞(秋)を勝利していた21年エフフォーリアや22年イクイノックスに比べると、タスティエーラやソールオリエンスの成績は見劣るかもしれないが、古馬で図抜けた実績馬は見当たらないので、今年も3歳牡馬にチャンスがあるとみる。

タスティエーラソールオリエンスのクラシック成績はほぼ互角。優劣をつけるのは本当に難しいが、菊花賞で2着と先着し、上がり3ハロンも上回っていたタスティエーラを一応上位に取る。また、有馬記念で3歳馬が複数頭出走した場合は、たいてい人気上位の馬が先着している(23年は1番人気イクイノックスが1着、6番人気ボルドグフーシュが2着)という傾向もあるので、実際の人気を見てからまた考えてみたい。

4歳以上の馬は前走JC3着のスターズオンアース、凱旋門賞4着のスルーセブンシーズ、天皇賞(秋)2着のジャスティンパレスと、主要の3路線から有力馬が出てきた。レース当日の人気はどうなるかわからないが、いずれの馬もある程度支持を集める可能性が高そう。よって、この3頭が有力な相手候補だ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。


データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)